第1日目から第5日目にかけては、分子の大きさの差異を分離モードとするゲル濾過クロマトグラフィーについて学ぶ。自分の手でゲル濾過用担体をカラムに充填し、各種溶質の溶出挙動ならびに分離挙動を調べる。まず、色素(ビタミンB12やブルーデキストラン)を試料として、溶出ピーク位置やピーク幅(分散)に対する流速などの影響を調べ、その結果を理論的に考察する。次いで、分子量の異なるタンパク質およびそれらの混合物を試料として、同じカラムで溶出を行い、分離効率について考察する。この際、タンパク質の定量法や電気泳動(SDS-PAGE)についても体験的に学ぶ。
第6日目から第10日目にかけては、逆相クロマトグラフィーについて学ぶ。タンパク質にプロテアーゼを作用させて得たペプチド混合物を、高圧グラジエントHPLCシステムを用いて分離する。流速やグラジエントの設定法を学ぶとともに、その設定値によって分離状況がどのように変化するかを調べる。さらに、ペプチドが各種の固体表面に吸着する様子を実験的に確認する。
|
実験項目 |
担当 |
1日目 |
午前:概要説明(今後の予定、クロマトグラフィー概論) | 崎山、萩原 |
|
午後:ゲル濾過クロマトグラフィー用カラムの充填 | 崎山 |
2日目 |
午前:色素の分離1 | 崎山 |
|
午後:色素の分離2 | 崎山 |
3日目 |
午前:講義(ゲル濾過クロマトグラフィーの基礎理論) | 崎山 |
|
午後:タンパク質単体の溶出と定量 | 萩原 |
4日目 |
午前:タンパク質混合物の分離1 | 萩原 |
|
午後:タンパク質混合物の分離2 | 萩原 |
5日目 |
午前:タンパク質混合物の分離3(SDS-PAGEによる確認) | 萩原 |
|
午後:講義(結果の総括)、機材などの後片付け | 崎山、萩原 |
6日目 | 午前:講義(逆相HPLCの原理と手法) | 崎山 |
午後:タンパク質の部分分解 | 崎山 | |
7日目 |
午前:高圧グラジエントHPLCシステムの分離条件設定法 | 崎山 |
|
午後:ペプチド混合物の分離1 | 崎山 |
8日目 |
午前:ペプチド混合物の分離2 | 萩原 |
|
午後:ペプチド混合物の分離3 | 萩原 |
9日目 |
午前:講義(逆相HPLCにおけるペプチドの溶出挙動) | 萩原 |
|
午後:ペプチドの固体表面への吸着1 | 萩原 |
10日目 |
午前:ペプチドの固体表面への吸着2 | 萩原 |
|
午後:講義(結果の総括)、機材などの後片付け | 崎山、萩原 |