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国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所 
インターンシップ終了報告
(海運ロジスティックス専攻  松田)

2023.01.18

 私は、2022721日から1220日の間、週一回海上技術安全研究所知能データシステム系でのインターンシップを終えました。受入プロジェクト名は「マルチエージェントシステムによる輸送シミュレータ開発」です。以下に成果とその感想をまとめました。

1. 成果
1.1 マルチエージェントシミュレーションの理解及び操作(8~9月)
前任の中山さんの引き継ぎをもとに入出力ファイルの種類の把握や実際にシミュレーションを動作させマルチエージェントシミュレータの概要を理解した。また仮説を建ててシミュレーション条件を変化させてシミュレーション結果の変化を観察した。

1.2 モバイル空間統計データの理解及び加工(10月~11月)
 作成したプログラム 
  ①メッシュコードを緯度経度に変換するプログラム
  ②モバイル空間統計をヒートマップにより可視化するプログラム
  ③国土地理院のAPIをもとに任意の緯度経度から当該地点の所属する市区町村コードを算出するプログラム
既存のライブラリや技術ブログなどのウェブサイトを参考にしながらpythonを用いて実装した。地理系のデータを扱うライブラリはかなり豊富にあり、自分で想像したプログラムは大抵の場合すでに誰かがネット上に公開しているため実装自体はやりやすかった。しかしながらモバイル空間統計のデータ自体に誤りがありそのことに気づくのに時間がかかって苦戦してしまう場面があった。

1.3 モバイル空間統計データをマルチエージェントシミュレーションの入力ファイルに反映(12月~)
モバイル空間統計データをもとに各市区町村の傷病者の予想分配率を算出するプログラムを作成した。この予想傷病者の分配率を重みとした重み付けクラスタリング(k-mean++)を市区町村ごとの予想傷病者数=クラスタ数とすることで各市区町村の傷病者の予想分布を算出することを試みた。

                      インターンシップ活動報告.png

2. 感想
自分が頭の中で考えたアルゴリズムを口述や文章で伝えることの難しさを痛感した。またそういったときにグラフやポンチ絵その他図表のような情報の視覚化ツールを用いて説明するとこの有用性を学んだ。研究室でのゼミナールの研究報告でも指導教員の教授に同様の指摘があったため、このような「多少ややこしい構造の情報を相手に簡潔に伝えて理解してもらう能力」は今後身につけていくべき能力であることが認識できた。前述した視覚化ツールをうまく取り入れて研究活動をしていきたい。

海運ロジスティックス専攻 1年 松田 蒼太