研究内容

船舶の安全運航のために、波浪中における船体運動予測、操縦性の解析と新しい操船方法、統計的運航管理の方法、人間機械機系解析による安全運航確保、気象・海象予測、GPSなどによる精密測位、船舶の誘導制御・定点保持・自動操船技術などに関する教育研究を行い、またメガフロートなど新しい海洋構造物の設計、運用、管理技術、さらに海事社会を円滑に進めるための管理技術などについて教育研究を行います。
講義方法
船舶運航性能実験水槽や回流水槽による実験、操船シミュレータによる実験、練習船汐路丸による実験や計測などを通じて工学的なアプローチによる研究を行います。
魅力
計算機による数値データの解析で得られた結果が、実験やシミュレーションによる体験として肌で感じられることに、醍醐味があります。海洋科学技術、造船工学、海洋環境工学、海洋開発工学、海洋計測技術、安全運航管理工学などの技術的発展に貢献することを目指します。
教員紹介
※詳細は、本学の海事交通共同センターの研究者データベースを表示します。
※HPは教員の個人ページなどへのリンクです。
授業担当教員名 | 職名 | 研究分野 | 授業科目名 | |
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石橋 篤 | 准教授 | 人間機械系システム開発・評価、船舶操縦性の推定・評価 | 運航システム設計工学 | |
内野 明子 | 教授 | 人間機械系、ヒューマンファクタ、ワークロード、海技者の行動特性分析 | 運航システム設計工学 | |
岡崎 忠胤 | 教授 | 船舶の誘導制御、確率論的安全評価 | 操船システム工学 機械学習演習 |
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久保 信明 | 教授 | 衛星測位工学、測位演算ソフトの開発、GNSSと他センサの統合手法、低軌道衛星の利活用 | 衛星測位工学 移動体通信システム 衛星航法工学 |
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笹原 裕太郎 | 助教 | 船舶耐航性能、波力、発電、数値流体力学 | 国際海上安全管理学 |
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高木 直之 | 教授 | 海事英語 | 海事英語論 | |
竹本 孝弘 | 教授 | ヒューマンファクター、海難分析、安全管理、海上交通工学 | 安全運航管理論 | |
福田 厳 | 准教授 | 船舶位置推定、GNSSを用いない船舶位置推定、海上交通分析 | 慣性センサシステム論 | |
増田 光弘 | 准教授 | 海洋空間利用工学、走錨・津波・水害の被害予測と防災対策、数値流体力学(CFD) | 浮体運動学 | |
南 清和 | 教授 | 船舶工学(造船学)、数値流体力学、船舶耐航性能、船体管理、海上安全管理、海洋環境管理 | 国際海上安全管理学 国際海上安全管理学実験 |
研究紹介
操船システム工学研究室(岡崎 忠胤 教授)
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人間を中心とした操船システムの構築を研究目標としてます。離着桟操船を専門とする水先人は、効率的かつトラブルが発生しても安全を確保できるよう船舶を操船しています。そこで、適切な安全マージンを設定した上で、効率的な操船方法を船舶の運動モデルから導出し、自動制御にて船舶を誘導するシステムの研究開発を行っています。
情報通信工学研究室(久保 信明 教授)
GNSS/IMU/速度センサ+Lidarによる高精度3D地図生成衛星測位技術を利用した㎝級の高精度測位をメインに研究開発をしています。
これまで利便性が追求されてきた分野ですが、今後は自動運転等の高信頼・高安全なアプリケーションでの利用が強く期待されています。そのために、衛星測位技術だけでなく、IMU(慣性航法センサー)やLidar、カメラ等の他センサとの統合技術を検討しています。また昨今打ち上げが加速している低軌道衛星の測位への利活用なども検討しています。衛星測位は、干渉や欺瞞信号に弱い短所があります。位置認証技術や干渉・欺瞞信号に対する対処方法の研究開発も重要なテーマになるでしょう。
船舶におけるGNSS異常時の位置推定(福田 厳 准教授)
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一般船舶における位置推定はクロスベアリグ、天測、デドレコニングおよびGNSSなどがございますが、自動的に位置推定を行い各航海計器に位置信号を送信できるのはGNSSのみです。しかし、GNSS信号の脆弱性は以前から指摘されており、実際にジャミングやスプーフィングによる船舶への攻撃が確認されております。このようにGNSSに何らかの異常が発生した場合に位置推定を継続して行い、安全運航を継続できる技術の研究を行っております。