大学院で学べること
我が国が海洋立国として発展し、国際貢献の一翼を担っていくためには、国内唯一の海洋系大学である本学が、「海を知り、海を守り、海を利用する(Voices from the Ocean)」ための教育研究の中心拠点となって、その使命を果たす必要があります。このような観点から、本学は研究者を含む高度専門職業人養成を核として、海洋に関する総合的教育研究を行っています。
博士前期課程海運ロジスティクス専攻では、次の分野を教育研究対象としています。
- 海上貨物輸送の主体である船舶の安全性
- 環境と調和しながら経済性を確保し高度な情報技術を応用した船舶の運航管理
- 船舶の運航技術を活用した新たな海洋構造物を設計・運用・管理
- 大気および海洋の諸現象を理解するための解析的観測的研究や海洋資源保全戦略を海洋人類学の視点から分析
- 貨物の流れを海・陸・空輸送を含む複合一貫輸送の中で捉え、その物流の経営工学的最適化
- 経済性、貨物情報のネットワーク化、港湾の貨物管理の情報化など物流に関する社会工学的側面

汐路丸での操船実験の様子
当専攻が教育研究対象とする船舶の安全性、船舶運航管理、海洋環境、海洋構造物、物流を取り巻く環境は、近年大きく変化しています。
船舶の安全性、船舶運航管理については「自動運航船」の開発が上げられます。海上安全の一層の向上、船上の労働環境改善、産業競争力の向上・生産性の向上等の観点から、自動運航船の開発が進められており、国土交通省は「陸上からの操船やAI等による行動提案で、最終的な意思決定者である船員をサポートする船舶」を「フェーズII自動運航船」と類型化し、2025年までの実用化を目指しています。当然、自動運航船に乗り組む船員、陸上オペレータには新技術への対応が求められます。
海洋環境問題では海洋プラスチックゴミが地球規模の課題として対策が急がれています。また地球温暖化対策推進法も制定され、我が国は2050年にカーボンニュートラルを目指すとしています。温室効果ガスの排出削減のため、新たな船舶推進システムの開発も進んでおり、電気推進は実用化され、新たな燃料としてLNG(液化天然ガス)やアンモニア、水素の利用も検討されています。このような変化に対応できる優秀な船員の養成・訓練も重要となっています。
海洋構造物に関しては再生可能エネルギーの観点から、洋上風力発電は既に商業運転に入っていますし、潮力発電の研究も進んでいます。このような海洋構造部を建造するためにはDPS(自動船位保持システム)を装備した船舶が不可欠で、その運用を担うオペレータの養成も急ぐ必要があります。
海上物流は現在も増加傾向にあり、主要港湾における運航スケジュールの遅延、欠航や抜港、滞貨などが常態化しており、改善の見通しが立たない状況が発生しています。また、海・陸・空を含む国際複合一貫輸送においては様々な課題も解決しなければなりません。
このように、海運ロジスティクス専攻が取り組むべき課題は山積しており、大学院ではその解決に向けたチャレンジをとおして、船舶、海洋、物流に関する知識を深めることができます。
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