INTRODUCTION学生紹介

STUDENT INTRODUCTION

海洋生命資源科学専攻

吉澤 聡一朗 YOSHIZAWA SOICHIRO

専攻分野:海洋生物工学

指導教員:近藤 秀裕

メンター:小祝 敬一郎、矢澤 良輔

吉澤 聡一朗

魚の研究が医療につながり、人助けになる。
初歩からのAI学習も確かな成長を実感

2024.01.10

卓越大学院プログラムでAIを学びたい。そこから研究テーマを決定

東京海洋大に入学したのは、生き物、特に魚が好きだったからです。学部時代、AIはほとんど勉強したことがなかったのですが、AIのデータサイエンスやコンピュータを使った研究に興味がありました。卓越大学院プログラムに参加したのは、指導教員からプログラムの話を聞き、AIが学べるならぜひと思ったのがきっかけです。そこから、自分の好きな魚とAIを絡めた研究として、サメの免疫を調べる研究をしようと思い立ちました。ですから、この研究を始めたのは大学院に入ってから。AIは初歩からのスタートとなります。

半年勉強して、自分自身の「確かな成長」を実感

卓越大学院プログラムに参加して一から学び始めたAIですが、やはり工学系の方と比べると、かなり遅れを取っているとは感じます。しかし、入学して半年勉強してきて、確かな成長が感じられるようになりました。例えば、今は他の研究で使われている機械学習のテクニックが理解できます。プログラミングのコードはわからなくても、どういう処理をしているか、どういう解析をしているかはわかるようになったのです。理解している自分を知ることで、勉強した甲斐があると実感できるのがうれしいですね。

si_photo_yoshizawa02.jpg卓越大学院プログラムの授業では、さまざまな言語を取り扱います。私が使う言語はPython(パイソン)。Pythonも「こういうプログラムをすればこれができる」という仕組みを初歩から教えてもらえ、そこから簡単なデータの解析や機械学習を実践しています。

学生のレベルはさまざまですが、皆同じクラスです。授業の中で小グループを作り学生同士でディスカッションをするのですが、中級上級の方たちは授業では触れていないことも予測して説明してくれます。初学者が質問をして教えてもらえる場面もあり、相互理解に役立っていますし、より理解が深まります。それが私の基礎になり、今の研究の理解につながっています。

最近では、「これがわかったのだから、難しそうだと思っていたことも一度試してみよう」と思えるようになりました。まだ一からコードを書くことはできませんが、他の研究で作られたコードを転用し、自分で手を加えて使えるようにはなっています。卓越大学院プログラムでの勉強が、確実に自分自身の研究に生きています。

経済的な支援のおかげで、アルバイトの時間を研究に充てられる

卓越大学院プログラムの魅力の一つは、経済的な支援です。月々の経済支援のほか、研究費が支給されます。私は研究費で、研究に使う電子タブレットや試薬類を購入しています。当初から予定されていたものであれば研究室の予算から購入できますが、そうでないものは自己負担しなければなりません。そのためにアルバイトをする学生は多いです。しかし、卓越大学院プログラムから研究費を支援してもらえるので、必要なものを購入して思うまま研究できます。アルバイトに時間を取られることもありません。何も気にせず自由に研究に打ち込めるのはとてもありがたいです。

水産の生物から人を助ける場面に応用される研究

私は、サメの抗体がどういう物質と繋がるかを予測する研究をしています。抗体、つまりタンパク質がどのような物質にくっつくかには規則性があり、それが機械学習と相性が良いのです。

抗体は医薬品や実験試薬など、いろいろな分野に使われています。この研究は基礎研究に近いので、応用されることで、水産だけでなく医療にも関わりますし、他の分野の研究や実験にも使われるでしょう。水産の生物から人助けに応用される研究になるはずです。

水産系と情報の2つの分野を勉強していますので、博士課程を修了したあとは、複数の分野を繋ぐ仕事をしたいと考えています。いろいろな分野を勉強しているからこそできる仕事があるはず。ですから研究職だけにこだわらず、広い視野で将来を考えたいです。また、ジャンルにもとらわれず、求めてくれるところがあれば、そこで応えていきたいです。

勉強と生き物の世話のため、ほとんど毎日登校

平日は毎日8時半には登校しています。昼間は実験をして、データの解析やプログラミングの練習。19時から20時くらいに大学を出る毎日です。勉強のために大学にいる時間が長いですね。研究室で生き物を飼っているので、世話のために土日も大学に行くことが多いです。研究に使っているサメも、研究室で飼育しているんですよ。

平日はやることが多く忙しくしていますが、多趣味なのでやりたいことがたくさんあるんです。学校に行かない「本当の休日」は、参加している楽団に行って楽器の練習をしたり、体を動かしたりしてリフレッシュしています。