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BEMAC株式会社インターンシップ終了報告
(海運ロジスティクス専攻 今井)

2021.12.23

 10月に1ヶ月間インターンシップを行いました。受け入れ先は、船舶の配電盤製造などを手がけるBEMAC株式会社です。本社と工場は愛媛県今治市にありますが、東京にも支社がありデータ活用業務を行う東京データラボがあります。今回はこちらの東京データラボで、AIを使ったデータ活用業務に参加しました。

 取り組んだ課題は、船舶の電気系統の異常検知です。船の方向を変え針路を一定方向に保つための操舵装置をはじめ、船の重要機器には電気が使われています。もし、船の電気系統に異常が発生して船内電源が失われると、操縦不能になり、衝突や座礁といった事故につながるおそれがあります。BEMAC株式会社では、電気系統のデータを分析することで、トラブルシューティングを実施しています。発電機の電流など電気系統の時系列データから、機械学習を使って異常を検知し、この業務を効率化できないかというのが今回の課題です。

 すでに機械学習モデルを使って時系列データから異常を検知する仕組みが開発されていましたが、既存のモデルでは誤検知が多く、実際に運用するレベルには達していませんでした。そのため、既存のモデルの調整や新しいモデルへの変更によって性能向上を図ることがインターン期間の主な作業内容になりました。コロナウイルス感染防止のため、日程のほとんどはリモートワークとなりましたが、メンターの方から適宜助言を受けることで、問題なく作業をすすめることができました。

 異常検知は異常が発生したデータが正常なデータに比べてとても少なく、今回の課題では正常と異常の区別も難しいという問題がありました。メンターの方の助言もあり、最終的には考案したモデルをプログラムに落とし込むことができましたが、既存のものよりも性能を向上させることができませんでした。実務で用いるデータへのAI応用の難しさを感じた1ヶ月でした。

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最終報告会の様子

 また、インターン期間中には、BEMAC株式会社も参画している無人運航船プロジェクト「DFFAS」で、船を陸上で監視するための陸上支援センターの見学に行く機会も得られました。運航会社の他、通信、航海計器、造船など、さまざまな企業が関わっている一大プロジェクトです。これだけの企業が協力しあえるのは海外では難しいらしく、これからの無人運航船開発で日本が世界に対し先進するのだという熱意を感じる現場でした。 

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DFFAS陸上支援センターで遠隔操船席に座る私

 1ヶ月と短い期間ではありましたが、実際の現場で、実務に利用しているデータを使ってAI活用を試すことができた貴重な機会となりました。お世話になったBEMAC株式会社の皆様を始め、今回のインターンシップをサポートしていただいた方々に感謝申し上げます。

海運ロジスティクス専攻2年 今井