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いであ株式会社でのインターンシップ終了報告
(海洋資源環境学専攻 原田)

2021.10.15

 8月17日から21日にかけて、山梨県山中湖で行われたAI技能塾の合宿に参加し、その後、824日から93日にかけて、神奈川県の国土環境研究所で行われた応用モデリング部にてインターンに参加しました。

 前半の合宿では、OCRチームにて手書き野帳の自動読み取り、及びエクセル等への出力を最終的な目標に、業務効率化へ取り組みました。OCRに関してほぼ知識ゼロでしたが、この4日間の間にかなりOCRについて理解が深まったと思います。4日間では業務ですぐに利用できる状態まで開発することができませんでしたが、openCVなど画像の前処理に重要なライブラリの使い方を深く知ることができたので有意義な時間を過ごせたと思います。自身の研究に関連する鯨類調査でも水に濡れる環境であるため、未だ紙とペンでの調査が行われており、やはりデータ入力にかなり時間を取られるとのことなのでOCRを利用し、改善できないかチャレンジしてみたいなと思います。

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 後半の応用モデリング部でのインターンでは、最初に超高解像度画像の作成タスクへ取り組みました。超解像モデルを利用し、細かなスケールの超解像度画像を得ることができました。その際、高度の情報など細かな情報を無くさないように工夫しました。次に取り組んだタスクはセマンティックセグメンテーション用のアノテーション画像の自動生成というタスクでした。画像の教師あり学習では正解ラベルとしてアノテーション画像を用意しなければならないのですが、その準備には非常に時間がかかるため、その画像を自動生成できないかというタスクでした。モデルには自己教師あり学習モデルであるConstrastive学習モデルを利用しました。出力として正しく色分けされた結果が得られてはいたのですが、類似しているものを同じ色で塗り分けることまではできず、結果としてはいまいちでした。しかし、鯨類の研究の一つに写真による個体マッチングがあり、その研究に利用できるのではないかとも思っているので、今後も勉強していくつもりです。

 最後のタスクは魚群モデルを利用して局所的な情報から全体を可視化する手法の検討でした。Neural Processを補完に利用することになったのですが、理解が難しく、タスクの進行を停止して、Neural Processへの理解を深めることになりました。githubと論文を見ながらNeural Processの実装をすることになったのですが、ただライブラリを使うだけではなく、どのように動いているのかを一つ一つ確認し、理解を深めることができたのでとても面白く、ためになったと思います。また、鯨類調査でも全エリアの調査データは得られないため、Neural Processを利用し、局所データから全体のデータへデータ補完することにより、モデルの精度を高められないか検討してみたいと思います。

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 今回は合計して約3週間のインターンでしたが、体感ではものすごく早く終わったなという印象でした。コロナのため、後半のインターンが半分オンラインになってしまい、社員の方とのコミュニケーションがなかなか取れなかったのが残念でしたが、総合的に見て、多くの人とつながることができ、また、様々な技術にも触れることができたので有意義な時間だったと思います。最後になりますが、この貴重な経験を今後に活かし勉強に励んでいきたいと思います。ありがとうございました。

海洋資源環境学専攻1年 原田