本プログラムでは大学院生(D院生) をインターンシップとして海外に派遣するという目標を掲げています。これは、日本の国内市場の縮小が予測される中で、グローバル市場でのビジネスで活躍できる人材を養成することが日本の大学院においても求められるという時代背景があります。しかしながら、食の高度職業人養成プログラムを掲げた本プログラムによって、本学の大学院生を派遣できるグローバルなビジネスの体験の場があるかというと、現在はどこにもありません。
そこで、本プログラムでは、本学大学院生を派遣できるグローバルビジネスの場を創出することから始めねばなりません。丁度、食品流通安全管理専攻の川島孝夫教授が「タイからの輸出海産食品の安全管理システム構築」を、TNSC(タイ荷主協会)・KU(カセサート大学)・CGC〔日本のボランタリ・チェーンストア最大手)・東京海洋大学の連携で立ち上げようとしておられました。この事業の中に本学大学院生がインターンシップとして働ける場を組み込むことを提案し、受け入れて戴きました。事業は次のように進行しました。
- 2008年3月に本学教員がタイ・バンコク(KU, TNSC)を訪問し、事業の趣旨説明及び目的・進め方の理解の共有化を行った。
- 2008年6月にKU教員およびTNSC幹部が来日し、日本の大手食品企業より食品の安全管理の日本基準(国際基準)を学習した。
- 2008年8月に本学大学院生(D1名、M3名)がタイを訪問し、食品の安全管理のタイ基準の学習とタイにおけるエビ養殖場、食品工場の実態調査を行った。
- 2008年10月に本学大学院生により、タイ基準と日本基準の相違点をGMPベースで整理し、11月にTNSC・KUと相違点を検証した。
- 2009年1月にKU教員およびTNSC幹部が再来日し、日本の中小食品関連企業工場において食品安全管理の実務・従業員教育等を視察した。
上記の2008年8月のタイ訪問には教員は同行せず大学院生だけで訪問し、訪問団のリーダーを博士後期課程の大学院生が勤め、この任務遂行をインターンシップとして行いました。
このタイに於けるインターンシップを遂行するために、当該大学院生は、川島教授の主導する「タイからの輸出海産食品の安全管理システム構築」プロジェクトに当初より参加し、
今後は次のような展開を図り、継続的に本学大学院生のインターンシップの場を確保することを目指します。
- 日本の食品表示法を明確に整理する。
- その成果物をKUでの企業向け公開講座の中に反映し、その講師役に本学大学院生をインターンシップとして派遣する方向でKUと交渉する。