REPORT留学生リポート

ショートタームプログラム(STP)

OQEANOUS Plus-STP 体験記(韓国海洋大学校/東京海洋大学 R5.7-R5.8)

2024.02.16

海洋科学技術研究科海洋システム工学専攻 修士1年 Y. A.

 STPプログラムでは短い期間ながら様々な内容を学ぶ事ができました。本年度の留学先は韓国,釜山にある韓国海洋大学でした。1週間の韓国滞在と1週間の日本滞在を含めた2週間の期間で,海洋関係の内容について学びました。韓国海洋大学では,海洋学に関する幅広い講義やセミナーを受講しました。韓国では韓国海洋大学,東京海洋大学の学生のみの交流で日本人学生は5名,韓国人学生は6名の計11名でのフィールドワークを行いました。工学,生物学,環境学などに関しての内容でした。

 

 中でも私が最も印象的であったのは韓国海洋大学の練習船でした。合計2隻の練習船があり,本学の所有する練習船より大きく,その大きさは圧倒的で海外の大学のスケールの大きさに衝撃を受けました。また韓国海洋大学の大学院制度も非常に魅力的でした。大学には研究機関が併設されており海洋に関する様々な実験が執り行える施設がありました。化学や生物学は勿論のこと,海岸における防波装置なのどの工学的な研究も盛んに行われていました。生徒は志願して,一定以上の成績があれば大学院での研究をこの研究施設で行え,実践的な授業やフィールドワークを通じて海洋に関する専門知識を深める事が出来るそうです。

 

 加えて韓国国立海洋博物館では韓国の古来の海との関わり方に関する資料を見学しました。韓国と日本は文化圏が近いこともあり海に対する畏怖や関心,接し方などに共通点が多く海洋学と地域文化の密接な関係について新たな理解を得ることができました。韓国滞在中の休日は釜山の中心街の南浦洞に出向き日本学生2名,韓国人学生2名の計4名で釜山の街を観光し,異なる国の文化に直接触れる良い機会でした。

 

 日本のフィールドワークからは中国,マレーシア,タイの学生も参加して,東京海洋大学の研究施設を訪れ,養殖や海洋生態系に関する実地調査を行いました。大泉ステーションでは特に養殖について学び人工授精や人工孵化についても理解を深めました。また株式会社いであでは特に,日本の河川の環境や生態系の研究に焦点を当て,その多様性や持続可能な管理方法について学びました。さらに,東京海洋大学のキャンパスツアーでは品川,越中島の両キャンパスの見学を行い工学や生態学など両キャンパスの研究内容を学ぶと共に他国の学生は日本の海洋大学での研究内容に理解を深め,長期の留学の意思を固めた学生もいました。

 

 このプログラムでは,理論的な授業だけでなく,実践的な知識や経験を得る事ができました。また海専門知識の講義のみならず異なる文化に触れることで,価値観の違いを理解し国際的な視野を広げることができ,それらを議論し合う中では英語学習としても良い学びの場となりました。さらに海外の海洋環境や文化に触れることで,自国の海洋研究や保全の取り組みとの相違点に気付く事ができ,新たな発見をする貴重な機会でした。短い期間ではありましたがその密度は非常に濃く,留学を通じて得た知識や経験は貴重なものであり,将来のキャリアに大いに活かされると感じています。

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