REPORT留学生リポート

国際協働教育プログラム(IJP)

OQEANOUS Plus-IJP 体験記(IPB R5.2-R5.7)

2023.10.20

海洋科学技術研究科海洋資源環境学専攻 修士1年 R. O.

【IPB大学に留学した動機】
  私は、以前から海外に漠然とした興味があったものの、具体的に何がしたいのか、どこの国や地域に行きたいのかは全く考えていませんでした。特に学部2、3年次には、コロナウィルスの影響で外国どころか自分の大学にも行かない状態で、留学することは現実的ではないと思っていました。しかし、研究室に配属され、周囲の人間の留学した話を聞いたことや、同年に行われたShort Term Programでタイに一週間ほど滞在して、留学に挑戦したい気持ちが湧きました。卒業研究や就職を考えると挑戦するなら今しかないと思い、留学を決意しました。自分は、IJPプログラムの二次募集で応募し、その時点で選択肢はインドネシアのIPB大学と韓国の韓国海洋大学の二校のみでした。韓国海洋大学は、前年度に研究室の先輩が同じIJPとして留学していたので経験談を直接聞くことができ、そこでの生活をイメージすることができましたが、自分は韓国と比べて文化が大きく異なるインドネシアに興味を持ちIPB大学を希望しました。
自分の留学の目標は以下の二つでした。
・IPB大学で海洋環境学を学ぶこと
・多民族国家であるインドネシアで多様性を体感すること

【留学前準備】
  インドネシアのセメスターは、一月から始まります。学部4年次での留学には、卒業研究との兼ね合いがあると思いますが、先生方や友人たちの協力や事務局の方の調整もあり、二月に卒業論文を提出後に出国し、インドネシアからオンラインで卒論発表をするという形で何とかしてもらいました。インドネシアに実際に行くまでは、どんな国なのか?英語が使えるのか?どんな生活をするのか?などよくわからないことだらけでしたし、インドネシア語も全く知らなかったですが、卒論でバタバタしていたこともあり不思議と不安ではなかったです。

【インドネシアでの生活】
   IPB大学のメインキャンパスは、首都であるジャカルタから南に電車で1時間半ほど移動したボゴールという都市の中心地から少し離れたところに位置します。キャンパス内には、学生向けの食堂やコンビニ、カフェがあり、キャンパスの周りにもストリートフードやカフェなどがあります。高層ビルが多いジャカルタと異なり、ボゴールはローカルな雰囲気があって、とても気に入っていました。
   言語については、大学内では基本的に英語で話すことができます。しかし、ボゴールでは大学外でインドネシア語でしか意思の疎通ができない場面が多々ありました。しかし、インドネシアでは、日本の製品やアニメに興味がある人が多く、日本人だと言うと言語の壁を越えて何とか話そうとしてくれました。そのたびに自分のインドネシア語の語彙が増え、インドネシアへの理解が深まっていったと思います。そういったところも英語話者の少ないボゴールならではの面白さだと思いました。

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(写真1)留学中よく食べたMie Ayam

【授業】
 急速に発展しているインドネシアで発生したケーススタディを通して、海洋環境を学ぶ授業を履修しました。特に授業内で興味深かったのは、ジャカルタ湾に流れる河川へのごみの投棄の問題でした。データを集めて解析し論文を発表するだけでなく、SNSなどを通じて論文を読まない大衆への啓発活動がとても重要であると言っていたのが印象的でした。授業を通して自分の専攻である海洋工学と海洋環境学は密接に関係していると感じました。
 また、ほかの留学生から偶然誘ってもらい千葉大学とIPB大学向けのサマーコースに参加しました。今まで全く知らなかったLandscape Architectureのコースでしたが、そこで知り合ったインドネシア人の友達には留学最後までとてもよくしてもらいましたし、フィリピンやマレーシアなどからの参加生徒とも交流できてよい経験になりました。

【休日】
  三月末から四月末までラマダンがあり、その後に二週間ほどのラマダン明け休みがありました。その期間には、バリ島の近くのギリ島とそこから船でコモド島まで他の国からの留学生と一緒に行きました。欧米からの観光客の多いバリ島周辺は英語がよく使えますし、そもそもバリ島の文化は、西ジャワの文化と大きく異なっていました。滞在していたギリ島には、排気ガスの出る乗り物は船しかなく、島内を馬車か自転車で移動していました。空もきれいで海もきれいでご飯もおいしく最高の休暇でした。また、インドネシアの友人とジョグジャカルタという古都に行ったり、シンガポールとマレーシアに行ったりもしました。

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(写真2)ギリ島のビーチ
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(写真3)コモド島のコモドドラゴン

【最後に】
 ここに書いた内容は、五か月間の留学のほんの一部でしかありません。そして自分が体験したことも広大なインドネシアのジャワ島の西側の一部でしかありません。スマトラ島やボルネオ島、スラウェシ島などまだ行ったことのない広大な島があり、そこにも大きく異なる文化がそれぞれあると思うととてもワクワクします。また、昔から日本と結びつきの強い国で過ごしたことは、日本での暮らしや国家としての立ち位置を考えるきっかけにもなりました。様々な文化が共存するインドネシアに留学することは、とても刺激的で有意義なものになると思います。ぜひインドネシアに行ってみてください。

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