REPORT留学生リポート

国際協働教育プログラム(IJP)

OQEANOUS Plus-IJP 体験記(韓国海洋大学校 R5.3-R5.7)

2023.10.20

海洋科学技術研究科海運ロジスティックス専攻 修士1年 T. T.
  2023/03/02から07/10までの間、私は韓国海洋大学(KMOU)でIJPに参加しました。このレポートが、韓国での留学を考えている方への参考となることを願っています。

【なぜKMOUなのか?】
  私がKMOUを選んだのは3つの理由があります。まず、場所です。韓国の造船技術は非常に有名であり、釜山港は世界でも最も主要な港の一つです。私はここでの経験が将来の研究や仕事に役に立つだろうと考えました。次に、研究室の環境です。私が所属する研究室には多くの国からの留学生がいます。この環境が私に留学への興味を駆り立てました。さらに、TUMSATで私の所属している研究室に、KMOUからの卒業生がいることも要因の一つです。最後に、専攻についてです。私たちの学科は船舶の運航とロジスティクス、2つの分野が合わさっています。私は船舶の運航を専攻しており、ロジスティクスに興味があったため、韓国は、これを学べる研究室を選びました。

【韓国へのはじめの一歩】
  渡航前の私の言語レベルについて、
英語:簡単な会話は問題ありませんでしたが、すこし複雑なことを説明することは不安があります。TOEICのほかに、オンラインレッスンや国際的なミートアップイベントに参加したりしていました。
韓国語: 1ヶ月ほど毎日少しずつ勉強しました。ハングルは何とか読める、「こんにちは」や「ありがとう」と言えるレベルです。
  私が韓国に渡航した時期は、COVID-19の状況がよくなっている最中で、渡航して2週間後にはマスクの着用義務がなくなり、何の制限もなく移動できるようになりました。講義も対面で行われました。

【KMOUでの生活】
場所:KMOUは釜山の南端に位置しており(晴れた日には対馬が見えるほど近いです)、バスで街まで約40分かかります。

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写真1)KMOUでの写真; 左: 寮の近くから見る夕日; 右: ヨット部での活動;

【食事】
大学の食堂:ほとんどの食事は辛い・しょっぱい味付けです。学期の最初にまとめて支払う前払いの食事プラン以外に、ハンバーガーやラーメンなどの選択肢もあります。値段は500円~程度です。
外食:辛い食べ物が中心の韓国料理ですが、デジクッパや参鶏湯、サムギョプサルなどは自分で辛さを調節できます。韓国料理の食堂は無料のおかずをいくつか提供されるため、お腹いっぱいになると思います。もちろん、ファーストフードや日本食レストランなど、さまざまな選択肢があります。コストは日本とあまり変わらないように感じました。

【買い物】
  キャンパス内にはコンビニがあり、スーパーマーケットまで徒歩で15分です。ダイソーが、バスで10分の場所にあるなど、生活用品は大学付近で揃います。バスで40分の距離にある南浦洞エリアは、ショッピングモールや市場(アメ横のような感じです)があり、観光地になっています。日本人観光客も多く、大抵のお店で日本語か英語が通じます。

【研究】
研究室:私はLogistics Automation labに所属していました。指導教授は日本で博士号を取得しているため、日本語が堪能であり、日本語で韓国語を教えて頂いたりもしました。ベトナム出身の学生が半数近くいる国際色のある研究室で、定期的に食事会やセミナー、ピクニック、ハイキングなどのイベントを通して、文化的な交流・友情を深めることができました。具体的には、거제시(造船・リゾートで有名)で2泊3日のセミナー、울릉도(鬱陵島・韓国の東側にある島)での2泊3日の旅行、そして、帰国後の8月に行われたベトナムでの学会に教授方のサポートで参加させていただきました。これらはどれも忘れられない大切な思い出です。
研究テーマ:私はKMOUで船体動揺の制御について研究しました。研究テーマについては、渡航後に教授と話し合って決定しました。活動としては、プログラミング、論文を読むことを中心に研究室で行っていました。このテーマをもとに、帰国後の修士論文作成に取り組んでいます。

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写真2)ベトナムでの写真(ホーチミンシティ); 左:学会の様子; 右: 学会後のフィールド・トリップCan Gio;

講義:私はKMOUで2つのコースを受講しました。「Reliability Engineering」(英語での講義、ディスカッション、PowerPointプレゼンテーションの発表)と「Basic Korean 1」です。全体として、講義についていくことにそこまで苦労はなかったように思います。信頼性工学についての授業はシステム開発・改善などのプロセスの理解に、韓国語の講義は、私自身の韓国語スキルの向上に非常に役立ちました。
注:秋学期からの、韓国語の講義では「Basic Korean 1」の代わりにより発展的な「2」を受講することになると思います。

国際交流:KMOUは積極的に留学生を受け入れており、特に北東・東南アジアからの学生が多いです。同じ留学生として、フィールド・トリップや文化体験などの活動を通して交流を深めることができます。留学生を地元の学生がサポートする「バディ・プログラム」が設けられており、大学によく馴染む機会の1つとなりました。私の場合、私のバディがメンバーであるヨットクラブに時々参加していました。

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写真3)韓国で旅行した際の写真; 左: 雁鴨池(慶州); 右:鬱陵島;

【韓国での生活】
交通:T-moneyカードは、日本のSuicaカードに相当するもので、韓国内のバス・電車で使用可能です。電車やバスはおよそ時間通りです。Google Mapsは韓国での交通情報に対応していないため、代わりとしてKakao Map・Naver Mapを使用していました。

銀行・ビザ:学生ビザに関する手続きは渡航1ヶ月半くらい前に行いました。ビザの手続きは居住地によって、申請に行く大使館が違うため確認が必要です。私は住民票を地元から移していなかったため、帰省して申請しました。東京で申請する場合、大使館への訪問は予約制で、枠も限られているため、早めに行動することをお勧めします。一方で、韓国での手続きは大学のサポートが手厚く、自分でしたことと言えば、銀行・在留許可書に関する書類を記入するくらいでした。韓国はカード社会で、地元の食堂であってもクレジットカードが使用できます。ただし、モバイル決済や銀行のデビットカード機能には、在留許可書が必要になります。私の場合、在留許可書は申請してから3ヶ月後に交付されました。

言語:
 主な言語は韓国語です。日本のように一部の場所では英語が利用可能です。韓国語の起源は漢字をもとにしており、日本語との共通点が非常に多いです。韓国の高校生は漢字の理解のため、日本語か中国語を第二外国語として学ぶので、日本語を少し話せる学生も結構います。彼らとの会話のなかで、2つの言語の違いを知ることは、とても興味深かったです。私が留学を終える頃には、韓国語で、簡単な状況を説明することができる程度まで上達しました。これは友人たちが熱心に教えてくれたおかげです。
 空いた時間には、韓国語を主に勉強していました。留学前は英語を勉強しようと考えていたのですが、韓国語の上達の速さに楽しくなり、のめりこんでいました。言語学習はネイティブに学び、たくさん使う環境に身を置くことが大切だと教授に教えて頂いたことも要因の1つです。一方で英語については、あまり勉強していません。とはいえ、基本的には英語で会話していたため、流暢さは向上したと思います。

コミュニケーション:KakaoTalkは、日本でいうLineのようなアプリで、研究室の連絡から、友達とのやり取りまで、とても一般的なコミュニケーションツールです。Kakaopayはモバイル決済の一種で、日常の支払いや、友達との割り勘などに非常によく使われます。

【留学を終えて】

 このプログラムを達成することは、私にとって、間違いなくこれまでで最も大きな挑戦でした。両大学の教授方、ラボの仲間、コーディネーターや職員の方々、友人、そして家族からの心強いサポートのおかげで、自分自身が大きく成長することができました。韓国では非常に多くの方々に優しくしていただき、良い思い出でいっぱいです。
강사합니다!

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