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  • 「海洋産業AIプロフェッショナル育成卓越大学院プログラム」2025年度第1回公開セミナー 『海洋AIコンソーシアムにおける海洋×AIの最前線』(2025.12.4)を開催しました

2025年度第1回公開セミナー
『海洋AIコンソーシアムにおける海洋×AIの最前線』(2025.12.4)を開催しました

EVENT2025.12.12

2025124日(木)に、「海洋産業AIプロフェッショナル育成卓越大学院プログラム」2025年度第1回公開セミナー
『海洋AIコンソーシアムにおける海洋×AIの最前線』を、オンラインと現地を併用するハイブリッド形式で開催しました。
講演者および参加者を含め、102名の方々にご参加いただきました。

1部では、本プログラム責任者の竹縄教授による開会の挨拶に続き、4名の研究者による講演が行われました。
講演概要は、こちらをご確認ください。


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   【プログラム責任者 竹縄知之教授・開会挨拶/会場の様子】


IMG_0451 - コピー.JPG 【講演1:「海洋地球科学分野に特化した⼤規模⾔語モデルの開発と応⽤」】                                                国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)松岡 大祐氏


松岡 大祐氏からは、海洋地球科学の論文、観測データ、シミュレーションデータなど、多様なデータモダリティを統合できるマルチモーダル大規模言語モデルの開発と応用について紹介がありました。自然科学における生成AIの可能性、そして地域気候特化型モデルの開発例が示され、参加者から多くの質問が寄せられました。

質疑応答の中には、本プログラムのレジデントシップで指導を受けているプログラム学生が、松岡氏に回答を促される一幕もあり、プログラム生の活躍と学内外の関心が垣間見られました。

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             【講演2:「サロゲートAIモデルの気象・海況船舶への応⽤」】
                古野電気株式会社  木村 考伸 氏

木村 考伸氏による講演では、船舶運航の安全性・効率性向上を目指すサロゲートAIモデルの取り組みについて紹介がありました。10日間の全球海況予測モデルと、自己教師あり学習を用いた船体周り流体の流れ予測モデルの二軸で、その高速化・高精度化と実用化に向けた現状と課題が示され、気象・海況・海運関係の参加者や学生から多くの質問が寄せられました。



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   【休憩後、技術支援メンターも務められている吴連慧助教が司会を担当】



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            【講演3:「AIによる船舶積載貨物量推定と海上物流データの⾼精度化」】
         国⽴研究開発法⼈ 海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所  間島 隆博 氏

間島 隆博氏からは、AISなど船舶の動静データをもとに、各船舶の積載貨物量をAIで推定する研究成果が紹介されました。国際海上物流の実態把握の重要性や、新たな貨物量推定法を紹介されると同時にその難しさについても述べられ、海上物流分野におけるデータサイエンス手法の現在地について参加者と共有されました。


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【講演4:「建設環境コンサルタント分野へのAIの活用事例について」】
いであ株式会社 国土環境研究所 阿部 真己 氏

阿部 真己氏による講演では、建設環境コンサルタント分野におけるAI活用の事例が披露されました。インフラ点検、環境センシング、自然現象の予測など、海洋以外のフィールドも含めた幅広い応用の可能性が示され、インフラ、環境、コンサルタントについて多くの関心が寄せられました。また、AI技術を実務で使いこなすために必要となる基礎体力や思考・姿勢についても触れられ、海洋AIを学ぶ学生にとって将来のキャリアを考える上で多くの示唆が得られる内容となっていました。質疑応答では、最新のAI手法についても触れられ、大変示唆的な講演となりました。

いずれの講演でも、質問が相次ぎ、それぞれの分野に対する強い関心と期待の高さがうかがえました。

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【木野亨特任准教授・プログラムの説明】

海洋AI開発評価センター 木野亨特任准教授より海洋AI・データサイエンス学位プログラムについて説明があり、博士課程5年一貫教育、分野横断型AI教育、そして海洋産業をリードする人材育成を目指す取り組みが紹介されました。


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【舞田正志理事・閉会挨拶】


最後に、プログラムコーディネーターの舞田正志理事・副学長(研究・国際・学術情報担当)からは、登壇者への謝辞とともに、「公開セミナーとして、企業の最前線で活躍する方々や、それに携わる学生の声を広く共有すること」「海洋産業におけるAIの可能性と、今後課題解決のためのアイデアを生み出す場の重要性」が改めて強調され、公開形式である意義が述べられ、盛会のうちに幕を閉じました。




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【第2部/ポスターセッション・交流会の様子】


その後、第2部としてプログラム学生21名によるポスターセッションおよび海洋産業界との交流会が行われました。

会場には各学生の研究成果を紹介するポスターが並び、来場者が足を止めて説明に耳を傾け、活発に質疑応答や意見交換が行われ、海洋×AI がもたらす可能性と、今後の研究・産業界への応用等に対する期待が改めて強く感じられました。

 

-「海洋AI・データサイエンス学位プログラム(海洋産業AIプロフェッショナル育成卓越大学院プログラム)」は、本学が有する海洋、海事、水産の専門知識とフィールドに関する豊富な経験を元に、的確に人工知能を用い、その社会実装を主導するイノベータ・高度専門技術者や海洋政策の立案を行う人材である「海洋産業AIプロフェッショナル」の育成プログラムを構築します。