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前期課程 研究室間インターシップ開講一覧
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MSUインターナショナルビジネスセンター-小川

ミシガン州立大学(MSU)の大学院、The Eli Broad Graduate School of Management の一組織。インターナショナル・ビジネスに関する教育と研究を推進する組織として1990年に設立さmsu_1れた。MSUの学生向けの海外研修授業の企画・支援、海外で研究する研究者に対する現地企業の情報提供や仲介、インターナショナル・ビジネスに関するポータルサイト「global EDGE」の運営、国際会議の企画運営などを行う。業務にあたるのは、専属のスタッフ14名と大学院生の学生アシスタント12名。活動予算は、米国連邦教育省の資金による。本学でいえば社会連携センターの国際版という位置づけと思われる組織。非常によく組織化され、教育・研究の支援機関として認知度も高く、学内外の人々に活用されている組織という印象をうけた。対外的な窓口として1本化されている(よう)で、教員個人の資産として属人的になりがちな外部組織や企業との関係性を、大学の資産として有効活用していこうという戦略があるものと推察される。IBCに勤務する個人レベルでは、専属スタッフ、学生アシスタントとも、業務が明確で、報酬に対し責任を持って働いている。予算や人材、制度や文化の差があり、一概に本学と比較することはできないが、適用可能な点は本学でも実践してみてはいかがだろうか。そこで、次章では今回の訪問を踏まえて、本学の大学院教育における産業界との連携強化の施策2点を提案したい。

 

大学院教育における産業界との連携強化の施策(提案)

学生の力を活用し、インターネットでの学内外への情報発信力を強化する

本学が取り組む実務的な大学院教育は、大学教育としては萌芽的取り組みで、とくにインターンシップなど学生にも魅力的と思われるカリキュラムは、学内外に積極的に発信し、認知度を高めていく施策が求められている。IBC訪問で驚いたことのひとつは、体系的な情報発信体制が確立されていた点だ。ポータルサイトglobal EDGEは、学生アシスタントによって支えられている。彼らは200カ国20産業の基礎統計や主要企業の最新情報をネット上から収集、編集しサイトにアップする。「首都あてゲーム」などのコンテンツもあり一般や中高生のアクセスも多いとのこと。こうした情報発信が、IBCひいてはMSUの認知度を高め、国内外から学生が集まる契機となっているのだろう。

本学では学生に業務を任せ報酬を支払うための潤沢な予算が約束されている訳ではない。結果としてサイト担当の教職員個人に負担がかかり、教員の場合は本業の合間の作業となるので、サイトを最新に保ち情報発信を継続するのはかなり難しい。そこで、学生の力の活用という発想は適用したい。具体的には、企業でのインターンシップ経験者、研究室内インターンシップ、他専攻の講義の受講者に報告書を書かせ、それをホームページで情報発信してはいかがだろう?学生の生の声は、在学生、高校生をはじめ読み手にとって身近でリアルなコンテンツとして魅力を持つ。そこで、情報発信サイトはブログツールを導入し、学生が直接アップできるスタイルが望ましい。これによって情報発信の負荷が分散され、自律分散型の新しい情報発信サイトが構築できる可能性がある。

 

インターンシップやカリキュラムの改善において卒業生ネットワークを活用する

本学が、今後、産業界との連携を深めていくには、産業界が大学院教育に求めることや大学院卒の人材に求める能力を理解し、それにあったカリキュラムを開発、実践、評価、改善していくプロセスが必要となる。

IBCは学内のファカルティメンバーに対しては、海外企業の情報提供や、コンタクトの仲介機能をもつ。Dr.Rossは、毎年授業で20〜30名の学生を連れ来日し、本学も含め、複数の企業、物流センターを訪問するが、こうした訪問先の選定段階ではIBCを大いに活用したとのことだった。また、実際に各社の訪問をアレンジするのは、IBCが紹介した日本の産業界で活躍するMSUの卒業生とのことだ。

本学でも、多くの卒業生が食品業界をはじめ多くの組織で活躍している。彼/彼女らの協力を得て、産業界との連携強化を図ってはいかがだろうか。その第一歩として、本プログラムにおいて、現在企業でそれなりの責任と権限を持って活躍している中間管理職クラスの卒業生を数名集め、それぞれの立場から、本学における大学院教育に対する要望や期待など、率直な意見をインタビューすることを提案したい。

  
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ビジネススクールでの授業を参観させてもらいました