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インターンシップ受講者の体験談 日本水産(株)その2

インターンシップ先企業:日本水産株式会社 中央研究所
インターン期間:平成20年8月 2週間
主な仕事内容:冷凍コロッケの食感向上に関する研究
参加者データ:博士後期課程2年 女性 

インターンシップへの参加理由

 私は学部から現在の博士課程まで同一大学・同一学部に所属していますが、最近になって、「自分は長い間大学という狭い世界だけにいたのだ」と感じるようになりました。そして、このままではいけない、もっと広く他の世界をみる必要がある、と強く思い始めたことが、今回の参加を決めた最も大きな理由でした。

インターンシップの内容

 研究所のひとつの研究チームに配属され、関係するテーマとその資料をいただきました。 事前の打合せで、研究所での私の研究テーマは大まかにわかっていましたが、大学での研究とは異なるものでしたので、予めいくらかの勉強をしておきました。

 当初は、学生なので体験学習のような課題を与えられるのかな、と考えていたのですが、実際には一人の研究者として扱ってくださり、これから検討していく未開拓の領域を私一人に任せてくださいました。チームの研究は今日、明日を争うような製品開発に携わるのではなく、時間をかけてベースになる部分をしっかり築くものでしたので、いただいたテーマも直ちに製品に繋がるものではありませんでしたが、研究開発の一端を担うという気持が湧いてきました。そして、自分の基礎知識といただいた資料だけでは実験を進めていくことは難しいと感じ、大学から多量の資料を借出して、猛勉強しました。

 毎日、基準となる方法で様々な試作品を調理して試食を繰り返しました。チームの研究員の皆さんも一緒に試食していろいろとアドバイスを下さいますので、それらをもとに他社製品を集めて試食、比較したり、さらに改良を加えるなどして、試作と試食を繰り返しました。その結果、研究所の方から、「新しい発見がありましたから、お互い利益になりましたね。」と評価いただき、今後さらなる発展を期待いただける結果を得ることができました。

インターンシップで得たもの

 研究所には様々な大学や学部の出身者が集い、異なる専門分野をバックグラウンドにした研究員が同じ目的の研究を行っています。これにより、異なった見地、異なったアプローチでひとつのことを研究できる、そして、柔軟かつ多角的に研究をすすめていくことができる、ということがよくわかりました。大学の研究では、分野が同じ、あるいは似通った研究者間でのディスカッションが主となるために、得られる意見やアドバイスも、見方や考え方に類似点が多く、方向も同じ傾向にあります。しかし、今回インターンシップに参加して、実際に研究員の方々からアドバイスをいただいたときには、バックグラウンドの異なる様々なアドバイスがたいへん参考になりました。そしてまた、自分も、自分のバックグラウンドを持って意見が述べられるよう、専門分野をきちんと修めなければいけないと、強く考えるようになりました。

 また、研究員の方々は、ほんとうによく勉強されていると感じました。研究所に講師を招いて講演会や輪講をされたりしているほか、相談などもされています。同一分野だけでなく異なる分野の研究者間のつながりが増えることで、情報だけでなく人のつながりも次々と作られていき、それによって研究の幅も広まり厚みも増すのだということがよくわかりました。

 さらに、企業での研究は自由度がとても高く、インターンシップ前に企業の研究所に対してもっていた、「自由度がなく硬い研究姿勢」というイメージが完全に払拭され、就職活動の幅が広がりました。

次年度へ向けて

 大学の研究室ばかりにいては、視野が狭くなってしまいます。インターンシップは企業の中で実際に研究に携わる体験をしながら、様々な分野のいろいろな方からの意見や考え方をうかがい、ディスカッションできる貴重な機会です。そして何よりも、全てにとても楽しかったです。次年度の方も、ぜひ参加されることをお勧めします。