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インターンシップ受講者の体験談 日本水産(株)その1

インターンシップ先企業:日本水産株式会社 中央研究所
インターン期間:平成20年8月 2週間
主な仕事内容:練り製品減塩に関する研究
参加者データ:博士後期課程2年 男性 

インターンシップへの参加理由

 以前から、インターンとして企業の現場を体験したいと漠然と興味を持っていましたので、この機会に参加することで何か得られるものがあるのではないかと思い、参加を決めました。

インターンシップの内容

インターンシップで得たもの

 大学ではパソコン上のグラフで見られる程度の効果を論じていますが、食品開発の現場では、多少の差などまったく意味がありません。実際に開発した食品を食べてみて、「既存のものとは全然違う。美味しい。」という評価を得なければ、何の意味もないことを学びました。対象は一般消費者ですから、明らかな差を以って品物は消費者に選択されるわけです。そのためには、商品開発において大きな差をもった結果を得なければなりません。大局に立って物事を考えなければならないことを強く感じました。

そしてまた、食品の開発には、『絶対的な安全』が大前提となっており、『一にも二にも安全』、という姿勢に、当たり前のことでありながらも、感動しました。インターンが始まって1-2日目に食品の安全についてのレクチャーがあり、企業の安全に対する姿勢がよく分かりました。大学では、「多少の副作用があっても効果があれば薬品として使用できる」といった考え方で研究していましたので、実際の食品製造企業の、「口に入れるものは、とにかく安全を第一に考える」という確固たる姿勢に、目が覚める思いでした。それ以来、食品の安全に関しては敏感に反応するようになりました。 

企業で働くのであれば、第一に消費者の立場で物事を考えることが大切ということを、インターンとして現場へ行くまでは考えたこともありませんでした。ものを作り出す現場を経験することにより、「実際の使用に供するとしたら」という前提を研究に与えることができ、グラフ上での効果の増減に一喜一憂するよりももっと大きな視野で考えられるようになりました。今回のインターンシップは、わずかに2週間でしたが、今までとは全く異なる考え方、視点、そしていろいろなことを学び取ることができました。できればもう少し長く現場にいたかったですね。

次年度へ向けて

 大学で研究している学生は、企業の研究・開発・生産などの現場を見たことがない人がほとんどだと思います。私は、そのような方には、ぜひ一度、企業の内部を見ることをお勧めします。一般企業に就職を希望している人はもちろん、会社を創りたいと考えている人も、消費者が何を求めているのかということに重点を置く企業の姿勢を、実際に自分の目で見ることが必要だと思います。また、大学での研究職を希望するにしても、これからは研究費を集めることも必要となってきます。そのときに、企業は何を求め何を必要とするのかを探るためにも、インターンシップを体験して、様々な情報を集め、評価できる柔軟な姿勢を得ることが大切だと思います。

「百聞は一見にしかず」です。インターンシップに参加してみてください。