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海洋システム工学専攻
環境テクノロジー学 動力システム工学 海洋機械工学 海洋サイバネティクス 海洋探査・利用工学

動力システム工学
ターボ動力研究室
研究室名 ターボ動力研究室
研究室キャッチフレーズ エネルギーおよび環境問題の解決に向けて
研究概要 現在の我々の快適な生活を支えているのはエネルギーです.パソコンもエネルギーがなかったら,「ただの箱」にすぎません.ところが残念なことに,日本のエネルギー需給率はわずか4%程度であり,すべては船によって海をわたって運ばれてきます.この大事なエネルギーを高効率で活用する研究を行っています.
大学院担当教員 刑部真弘(教授),堀木幸代(准教授),伊東次衛(助手)
研究テーマ:詳細はhttp://www2.kaiyodai.ac.jp/~osakabe/
(1)  次世代地域エネルギー供給(SMART)に関する研究
関連教員:刑部真弘,堀木幸代
説明: 昼と夜間の電力需要は数倍もの差があり,また経済の変動によっても電力需要は大きく変化し,大規模集中電源をフルパワーで継続して運転することは非現実的な状況になっています.さらに,2001年7月の長期エネルギー需要見通しにおいて,2010年時点での風力や太陽光発電等の新エネルギーの導入目標として,総電力消費量の1.35%(1999年度比約3倍)が掲げられています.これは,化石燃料を抑制する非常に重要な国の施策ですが,これらの発電出力は変動性の高いものとなっています.このため,良識ある需要グループ(Good citizen)は,自然エネルギーを利用しながら内部発電,蓄電・蓄熱または需要調整をすることにより,外部電力への負荷を平準化することが要請されます.これらを可能にするのが,ITによるエネルギーの双方向性を狙った新しいエネルギー供給技術SMART(SMall Advanced Regional-energy Technology)です.大学におけるエネルギー費の低減,機器の運用管理(保守技術の習得),および防災と復災を含めた地域エネルギー供給を視野に入れた研究を進めています.
図:次世代地域エネルギー供給システム概念.
図:次世代地域エネルギー供給システム概念.
(2)  マイクロ蒸気インジェクタに関する研究
関連教員:刑部真弘,堀木幸代
説明: 水噴流出口直径が3.5mmという超小型のマイクロ蒸気エジェクター(MSI)を用いた実験を行っています.図中の黄色が蒸気,水色が水の流れです.純蒸気を用いたMSI実験においては,高い真空度が得られることを実証しました.この場合,蒸気は音速域まで加速され水噴流表面に激しく凝縮していると考えられています.一方,蒸気に空気が少し入った混合ガスをMSIに用いると,その性能は大きく低下します.また,純蒸気の場合,鉛筆の芯程度の非常に小さな水噴流に20kWもの蒸気が凝縮されていることになり,MSIは超小型の吸熱源としても有望です.
図:MSIに空気が混入した場合の挙動
図:MSIに空気が混入した場合の挙動
(3)  ヘッダの流量分配に関する研究
関連教員:刑部真弘,堀木幸代
説明: 熱交換器等に用いられる分配ヘーダの薄型化に取り組んでいます.従来のヘッダ管設計手法では,均一な分配を得るためにヘッダ管サイズを大きくして,圧力回復挙動を抑制してきました.本研究室の小型および薄型ヘッダ管に関する研究により,従来とは逆にヘッダ管サイズを小さくしていくことにより,ヘッダ内圧力損失等を増やし,圧力回復を相殺するようにする方法も有効であることが示されました.これらは,ヘッダ管の設計手法に関する発想の転換を指摘するものです.また,気泡混入時の分配特性を明らかにするとともに,その影響を最小限にする突き出し型(Protruding - type)を考案しました.この構造は,メーカーや他の研究者によっても注目され,今後の積極的な実用化が期待されています.
図:透明ヘッダによる可視化実験
図:透明ヘッダによる可視化実験
(4)  蒸気洗浄に関する研究
関連教員:刑部真弘,堀木幸代
説明: 蒸気を用いて切削油等が付着した機械部品を洗浄する実験を行っています.特に,機械部品を筒状のコンテナ容器に詰め,その中で減圧沸騰させながら洗浄する方法に注目しています.現在のところ,60℃以下の低圧低温蒸気でも,95%以上の油除去率を達成する事ができました.これらの一連の成果により,日本のメーカーによって製品化が行われています.
【特許3234204 物品等の洗浄方法及び装置】
【特許3190261 小型機械部品の脱脂洗浄方法及び装置】
図:メーカーにより試作中の蒸気洗浄装置
図:メーカーにより試作中の蒸気洗浄装置
(5)  排ガス潜熱回収熱交換器に関する研究
関連教員:刑部真弘,堀木幸代
説明: 燃料電池等排ガス中の水蒸気潜熱を回収する実験を行っています.実験の成果は潜熱回収熱交換器設計コードCHACとしてまとめられ,現在,日本のボイラーメーカー11社で用いられています.また,より高性能な細管を用いた実験により,従来よりも非常にコンパクトな熱交換器が設計可能となりました.
【特願2000-19441 特開2001-208302 酸素燃焼ボイラ用凝縮形エコノマイザ】
図:潜熱回収熱交換器の内部
図:潜熱回収熱交換器の内部
最近の主な修士論文テーマ:
・自動吸引ノズルによる衝突噴流冷却の効率向上に関する研究(担当教員:刑部真弘,堀木幸代)
・地域分散エネルギー技術に関する研究(担当教員:刑部真弘,堀木幸代)
・マイクロ蒸気インジェクタの性能向上に関する研究(担当教員:刑部真弘,堀木幸代)
・コンパクト細管凝縮器に関する研究(担当教員:刑部真弘,堀木幸代)
・振動による二相流動の予測に関する研究(担当教員:刑部真弘,堀木幸代)
・沸騰熱伝達への汚れの影響に関する研究(担当教員:刑部真弘,堀木幸代)
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