REPORT留学生リポート

国際協働教育プログラム(IJP)

IJP 体験記(韓国海洋大学 R6.9-R6.12)

2026.04.22

海洋システム工学専攻 修士2年 H.A.

【韓国海洋大学に留学した動機】

本プログラムの応募理由は、大きく分けて三点あります。

  1. 旅行や短期滞在ではなく、学生という立場で海外に一定期間滞在し、現地の大学生活の中に身を置く経験をしてみたいと考えたためです。授業や課外活動を通じて現地学生や他国からの留学生と関わることで、より内側からその国の教育環境や価値観を理解できると考えました。
  2. 韓国の大学における研究や講義、学生生活に対する関心です。日本と地理的・文化的に近い一方で、教育制度や学生の学習姿勢には異なる点も多く、実際に現地で体験することに意義があると感じました。
  3. 本プログラムが経済的な支援が手厚かったためです。費用が抑えられたことで、学業を主軸とした留学に集中できる環境が整っており、学生の立場で挑戦する機会として適切だと判断しました。

これらの理由から、本プログラムは自身にとって、学習面・経験面・経済面において有意義な機会であると考え、応募を決めました。

【授業について】

講義は、大きく分けて留学生向けの韓国語科目と、全体向けの専門科目の二種類があります。
私はBasic Intermediateコース(上から三番目)を選択しました。このコースは、ハングルを一通り学習したことを前提に、基本的な文法や語彙、それらを用いた短文読解を中心に進められました。課題は、授業で学んだ表現を用いて自己紹介文などを書く形式が多く、学習内容を実際に使用することが求められました。授業開始時はガイダンスのみで、翌週までに教科書とワークブックを各自で購入します。購入先は書店、もしくはクーパン(Coupang,쿠팡)と呼ばれるオンラインショッピングサイトが一般的でした。
10月末と12月中旬にそれぞれ試験があり、各試験範囲が教科書一冊分であったため、教科書とワークブックを二度購入する必要がありました。費用は合計で約7,000円程度でした。個人的には、内容の難易度にある程度余裕があったため、一つ上のコースに挑戦してもよかったと感じています。
専門科目については、講義中にすべてを即時に理解することは難しく、翻訳アプリ等を用いて復習する必要がありました。また、講義後には留学先で知り合った他国の学生とともに、カフェなどで復習や試験対策を行い、相互に内容を確認しながら理解を深めるよう工夫しました。このような学習スタイルは、言語的な制約がある中でも専門内容を把握する上で有効であったと感じています。 

【韓国での生活】

生活面に関しては、日本側および韓国側の大学職員による支援体制が整っており、留学期間を通じて不安を感じる場面はほとんどありませんでした。
また、大学職員に加えて、留学生の生活をサポートする学生アンバサダーが複数名配置されており、日常的な相談や手続きにおいても心強い存在でした。
留学初日には、現地空港までコーディネーターの方が迎えに来てくださり、大学まで自家用車で移動しました。到着後は別の大学職員の方が寮を案内してくださり、寮の入口および居室の電子キー登録を行いました。韓国では物理的な鍵ではなく、電子キーが一般的に使用されている点が印象的でした。
荷物を置いた後には、当日の夜から必要となる生活必需品を購入しました。具体的には、寝具類(枕や毛布)をはじめ、ドライヤー、シャンプー・リンス・ボディソープ、歯ブラシ・歯磨き粉などです。これらの買い出しは、学生アンバサダーおよび同日に到着した他の留学生とともに行いました。
大学構内のバス停から公共交通機関を利用して、南浦洞という最寄りの商業エリアまで移動し、生活に必要な物品を一通り揃えることができました。
初日から複数人で行動できる体制が整っていたため、土地勘のない状況でも安心して生活を立ち上げることができたと感じています。

【通信環境について】

市内や大学構内、研究室、寮などにフリーWi-Fiが整備されており、日常生活において大きな支障はありませんでした。そのため、私は現地の通信キャリアを新たに契約せず、日本で使用していた回線を継続して利用しました。一方で、現地キャリアの契約を希望する場合でも、学生アンバサダーが契約完了まで同行してくれる体制が整っており、言語面や手続き面での不安は少ないと感じました。
このように、実務的な支援にとどまらず、生活が軌道に乗るまで継続的に寄り添っていただける点は、本プログラムの大きな特徴であると感じています。

【韓国での食事環境】

食事は、学内食堂、学外の飲食店や屋台、コンビニエンスストア、ペダル(配達,배달)を利用する形が中心となります。
学内食堂はセルフサービス形式で、利用者がトレーで料理を取る方式です。量の調整がしやすく、水もセルフで用意します。味付けは日本人の口に合うものもあれば、辛味の強い料理もありますが、滞在を通して次第に慣れ、問題なく食事を取ることができました。
食堂の利用にあたっては、以下の食事プランから事前に選択します。
1日2食・週5日(計100食)
1日2食・週7日(計160食)
1日3食・週7日(計220食)
食費高騰の影響により、プラン料金に一部追加費用が発生しましたが、1食あたりの平均額は約400円程度でした。注意点として、「1日○食」という表記は平均ではなく、その日に利用できる最大回数を意味します。例えば1日2食プランの場合、ある日に1食しか利用しなかったとしても、別の日に3食利用することはできません。私自身の経験からは、「1日2食・週5日」プランが最も柔軟性が高いと感じました。研究室配属の場合、朝はゼミナールの集合時間と重なることが多く、朝食を学内食堂で取れないケースがあります。また、所属する研究室によっては食堂まで距離があり、往復で40分くらい要しました。海沿いを歩くので、飽きないですが体力的には大変かもしれません。夜は、研究室のメンバーや留学生、現地学生と学外で飲み会をしたり、配達を利用したりする機会も多くなります。そのため、週7日プランよりも学外での食事と組み合わせやすい週5日プランの方が、無駄が生じにくいと感じました。
なお、学内には複数のコンビニエンスストアがあり、酒類の取り扱いはありませんが、日用品や軽食は深夜でも購入可能でした。クレジットカードやWOWPASSが利用でき、生活面で不便を感じることはありませんでした。

【他大学からの学生との交流について】

本プログラムでは、他大学からの留学生との交流機会が多く設けられており、大学側が積極的に関わる形で、国際的な交流が促進されていました。
実際に交流した留学生の出身国は、アメリカ、ロシア、ギリシャ、デンマーク、韓国、台湾、中国、マレーシア、インドネシア、スリランカ、ミャンマー、フィリピンなど多岐にわたります。専攻や文化的背景の異なる学生と日常的に接することで、多様な価値観に触れる機会となりました。
特に印象的であったのは、大学主催の文化体験トリップです。留学生、学生アンバサダー、引率の大学職員、バスガイドと共に韓国国内の文化的に重要な地域を訪問するプログラムです。これらは数日間にわたる日程で行われ、自然な形で交流を深めるきっかけとなりました。
また他にも、留学生歓迎パーティ、大学院生棟で行われた大学院生向けの入学者パーティ、大学文化祭、スポーツ大会、複数回実施された文化体験トリップ、バディプログラム(留学生と韓国人がペアを作り、ペアで韓国文化を体験する)ならびにフェアウェルパーティなど、交流の場が継続的に用意されていました。こうした公式に設けられた機会を通じて関係を築きつつ、研究室がない日には現地でできた友人達と様々な場所へ行き、数え切れないほど色々な体験をしました。これらの機会を通じて、公式のイベントに依存するのではなく、日常的な関わりの中で留学生同士が関係を築いていける環境に恵まれていたと感じています。すべてのイベントに参加しましたが、正解だったと思っています。

【留学に対する印象、訪問先に対する印象など】

留学に対して当初は、楽しく華やかで、非日常を満喫できるものというイメージを持っていました。しかし実際に参加してみると、その認識は大きく覆されました。まず、日本語が使えない環境では、意思疎通の難しさを痛感しました。日常的な内容であっても、自分の考えを十分に表現できず、語学力の未熟さを突きつけられる場面が多くありました。人間関係についても、既存のつながりは一切なく、ゼロから主体的に構築する必要がありました。そのすべてを外国語で行う必要があるため、想像以上にエネルギーを要しました。また、生活面においても、分からないことは自ら周囲に尋ねる必要があり、通貨や費用の管理なども含めて、日常そのものが負荷のかかる環境でした。
一方で、そのような環境だからこそ、自分の行動次第で状況はいくらでも変えられるという実感も得られました。受け身では何も進まず、自ら動いた分だけ関係や経験が広がっていく。この点は、日本にいるだけでは得られなかった感覚だと思います。
韓国という訪問先については、渡航前はK-POPや美容、食文化といった側面に加え、報道などから受ける対外的な印象に対して不安を感じる部分もありました。しかし実際には、そのような懸念を感じる場面はほとんどなく、多くの人が礼儀正しく親切に接してくれたことが印象的でした。むしろ、事前に抱いていたイメージとのギャップに驚かされる場面の方が多かったです。
今回の経験を通して、留学は単なる楽しい経験ではなく、自分の能力や行動特性を試される環境であると認識が変化しました。同時に、実際に現地に足を運び、自分の目で確かめることの重要性を強く実感しました。

【参加した後で意識が変わったこと】

留学前は、外国人と関わる経験がなく、外国語でのコミュニケーションも限定的でした。そのため、異文化環境に対してどこか心理的な距離を感じていたと記憶しています。しかし、留学期間中に国籍や母語の異なる学生と英語や韓国語を用いて学業・生活の両面で関わる中で、「完璧に話すこと」よりも「伝えようとする姿勢」がコミュニケーションにおいて重要であると実感しました。その結果、外国語使用に対する抵抗感が大きく軽減され、現在では英語・韓国語ともに日常的な意思疎通に対して自信を持って臨めるようになりました。また、日本においても困っている訪日外国人に対して声をかけるなど行動面にも変化が現れました。バーなどで外国人と話して友達になることもありました。
これらの行動や変化は留学前には到底起きることはありませんでした。本留学を通じて、異文化環境は特別なものではなく、自ら関わりに行くことで身近なものになるという認識へ変わりました。

【最後に】photos.png

韓国の色んな場所で流れていた、大人気バンドDAY6のTime of Our Lifeの歌詞の一節。
지금 이 순간이 다시 넘겨볼 수 있는 한 페이지가 될 수 있게
和訳:今この瞬間が再びめくることができる1ページとなれるように
そんな青春となる留学生活を送ることができました。
関わっていただいた全ての人に感謝しています。
감사합니다

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