REPORT留学生リポート

共同学位プログラム(DDP)

OQEANOUS Plus-DDP 体験記(SHOU R4.12-R5.7)

2024.01.11

海洋科学技術研究科海洋資源環境学専攻 修士1年 K. T.

【留学の動機】
 もともと海外での仕事に興味があり、学生時代に留学や異文化を経験したいと考えていました。


【上海海洋大学での履修・研究活動】
[授業]
 2学期の間に10講義以上履修しました。留学生向けの授業を除き基本的に先生は中国語で話し、前のスクリーンなどに出される資料も中国語で書かれていたことが多かったです。そのため、グーグル翻訳を利用したり、同じ授業を履修している学生に内容を確認したりして助けてもらいました。テストやレポートに関しては、まだ中国語が不慣れな旨を先生に説明して英語で提出させていただきました。この点は教科によって先生の対応が異なる場合があるので、事前に確認する必要があります。
 また、これは個人的に感じたことですが、日本と違い授業での教授と生徒の距離が近いように感じました。例えば大人数の教室で教授が生徒に質問する際、日本であれば答える人の方が少数である場合が多いと思います。しかし、現地ではおおよそすべての授業で生徒が活発に反応、発表し、コミュニケーションをとっているように思いました。

[研究室]
 わたしは微細藻類の研究室に所属しました。ゼミは基本的に週一回で、すべて中国語で行われました。前期はコロナのためオンラインで、後期は対面で行うことが多かったです。ゼミの内容は自身の研究に関連する論文の発表を各週一人ずつ行い、参加者は研究活動の進捗状況を共有するなど、日本の多くの研究室で行われるものと同じ形式で行われていました。また、研究活動は担当教授から実験を指示されるのではなく自分自身で研究テーマを発見し、ほかの研究生と協力して進めていく形式で、この点は配属研究室独特の方針であると感じました。私は自身に関係ある微細藻類の培養や実験だけでなく、ほかの研究室の教授から頼まれたサンプルの分析なども研究室の友人と協力して行いました。
 研究室の学生と仲良くなってからはよく卒業後の進路の話をしました。中国では修士の期間が日本より1年長く、3年間あります。また、現地の学生曰く大学を卒業したのちに就職活動を開始する人が多いらしく、この点は日本と大きく違うと思います。そのためか、当時修士1年であった同い年の学生のほとんどは、まだ将来の進路に対して明確な目標を持っていませんでした。卒業が近い学生は、メーカーの研究・技術職か、公務員と答える人が多かった印象です。この点は日本の理系の学生の進路と類似しており、特に公務員は安定していることから人気が高いとのことでした。

【上海海洋大学での生活】
[学生寮]
 二人部屋で、ほかの留学生との相部屋となりました。各部屋にはシャワーとトイレがついています。私のルームメイトはネパール人で、お互いに歌が好きでギターが弾けるという共通点があったので、よく一緒に弾き語りや即席のセッションをして遊んだり、お互いの国の曲を聴かせあったりしました。

[ネット環境について]
 ご存じの方も多いと思いますが、中国では国外のサービスにアクセスすることが難しいため、もしGoogleやLINEなどにアクセスしたい場合はVPNを導入する必要があります。またスマホの契約内容によっては日本国外で利用できなくなる場合があると思いますので、出国前に中国で使えるSIMカードを購入したり、VPNを契約しておくと安心かと思います。上海海洋大学内にはチャイナユニコムの店があり、そこでは学生料金でSIMカードを購入でき、中国の携帯電話番号も手に入ります。おそらく携帯電話のSIMカードやデータの使用料金はそこで購入するのがもっとも安価かつ信頼できるかと思います。
 上海海洋大学のキャンパス内には無料のWifiがあり基本的にどこでもアクセスできますが、2023年現在、留学生の寮内ではWifiが使えませんでした(寮には学習室があり、そこではWifiにアクセスできます)。

[支払いや決済、銀行口座の開設について]
   現地ではタクシーやホテル、飲食店などで現金を使えない場合が多く、WeChatやAlipayのQRコード決済が必要になります。しかし、これらのQRコード決済を実際に利用するためには現地の銀行口座の開設が必要です。銀行口座の開設の案内は現地の留学生担当の先生から案内があると思いますが、できるだけ早めに使えるようにした方が安心でしょう。2023年時点ではAlipayが外国人旅行者向けに中国国内の銀行口座を持っていない場合でもQRコード決済が利用できるサービスを提供しており、私は銀行口座を開設するまでそれを用いることで代用していました(ただし、利用可能金額の上限や突然のサービスの仕様変更など不便な面もあるので、銀行口座を開設して正規の機能を使えるようにすることをお勧めします)。

[食事]
   大学内にはおおきな食堂が3つあり、おおよそ15元(留学当時のレートで約300円)あればお腹いっぱい食べられました。基本的に休日でも早朝から夜まで営業しており、学生は基本的に自炊ではなく食堂で食事を済ませます。基本的に現金は使えず、学生証にお金をチャージするかWeChatのQRコードでしか決済できないので注意が必要です。
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食堂での盛り付けの例(これで15元前後)

[病院について]
   最寄りの病院はタクシーで10分ほどの大病院になります。食中毒で39度以上の熱を出したことがあり、その時は中国人の友人に電話をして病院まで連れて行ってもらい、手続きや診察の付き添いなどもお願いしました。

[大学の周辺について]
   通りを挟んだ向かいに上海海事大学があり、その間の通りはレストランやスーパーマーケット、コンビニ、床屋などが多数立地する区域になっています。生活に必要なものはたいていそこで手に入りますが、自転車で20分ほど離れた場所に大きなショッピングモールもあり、そこでは生鮮食品や、輸入品などを扱う店、薬局や映画館などがあります。最寄りの地下鉄駅はバスで20分程度かかり、上海市中心部までは地下鉄でそこからさらに2時間程度かかります。

[大学でのイベント]
   頻繁に留学生のためのイベントが開催されますので、積極的に参加してみることをお勧めします。私は留学生がそれぞれの文化を紹介する祭りのステージで同じ留学生、中国人の友人と「朋友」という現地の有名な歌を歌ったり、大学対抗のドラゴンボート大会に出場しました。また、そのほかにも漢詩のコンテストや中国の伝統的な村へのツアーなどのイベントもありました。
 留学生同士は基本的にとても仲が良く、留学生サッカーチームを作って大学内の中国人のチームや上海海事大学のチームとよく対戦しました。

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上海海洋大学留学生ドラゴンボートチーム
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留学生サッカーチーム
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留学生祭りにて

【就活について】
 私は修士1年の11月から修士2年の7月までの派遣でしたので、一般的な就職活動が行われる期間に対面での就職活動が一切できませんでした。そのため、修士1年の春に派遣を決意した段階で志望企業(群)の調査や絞り込みを行い、夏ごろからはインターンや会社説明会に積極的に参加し、早期選考での採用を目指しました。その年の秋に運良く第一志望群の企業に早期選考の機会をいただき、また留学に行く旨を伝えてオンラインでの面接を許諾していただくことで、留学期間中に上海にいながら就職活動を終えることができました。
 いずれにせよ、留学で得た経験は何物にも代えがたい素晴らしいものになると思いますので、少しでも興味のある方はまずオケアヌスコーディネーターに相談してみてはいかがでしょうか。

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