Master’s Course 博士前期課程

生体物質化学 Marine Biomaterial and Functional Biochemistry←各研究室HPアイコン

研究室スタッフ 専攻分野:食品保全機能学

教授
石崎 松一郎ISHIZAKI ,Shoichiro
研究テーマ

水産未利用資源および廃棄物の新規機能性食品素材への応用
魚貝類の生理活性物質(主に糖鎖,配糖体)と機能の解明
水産物およびその加工品におけるDNA判別法の構築
魚貝類タンパク質および酵素の構造-機能相関

キーワード
水産未利用資源、新規機能性食品素材、生理活性、糖鎖、配糖体、DNA、種判別、タンパク質、高次構造、cDNAクローニング、遺伝子組換え
助教
小山 寛喜KOYAMA,Hiroki
研究テーマ

エビ類筋肉の構造およびミオシン重鎖遺伝子の発現分布に関する研究
沿岸に生息するエビ類の浸透圧調節と遊離アミノ酸蓄積との関連性の解明
頭足類の神経系における遊離D-アスパラギン酸の生理機能およびアスパラギン酸ラセマーゼの酵素学的諸性質の解明

キーワード

筋肉、ミオシン重鎖、浸透圧調節、遊離アミノ酸、D-アスパラギン酸、アスパラギン酸ラセマーゼ、cDNAクローニング、リコンビナントタンパク質

研究室内容

■研究の目標と意義
『生物を知り、生物に学び、生物(のもつ成分や機能)を利用する』

研究背景・目的

1:フグ毒のリスク管理に関する基礎的研究
現在でもナゾだらけです。我々はフグが毒を取り込む(貯め込む)メカニズムを中心に研究しています。毒化の仕組みを明らかにして,毒のない安全なフグを作れるようにしたいというのが目標です。一方,磯でよくみられるイソガニはなぜか体液中にフグ毒結合タンパク質をもっています。これとフグ毒が結合するメカニズムを明らかにして新しいフグ毒検査試薬やフグ毒中毒治療薬の開発に役立てたいと考えています。いずれも食の安全に貢献する大きなテーマです。
  • フグ提灯:Fugulantern
  • イソガニ:Shore crab Hemingrapsus sanguineus
2:水産未利用および廃棄物の新規機能性食品素材への応用
海洋の生物種は判明しているだけで約25万種存在し,日本近海においてはその約14%に当たるおよそ3万4000種が生息していることが報告されています.人間はこの海洋の生物資源を様々な形で利用することで多くの恩恵を得ていますが,現状で利用されている海洋生物はほんのごく一部に過ぎません.そこで,水圏に存在する未利用生物資源の有効利用を目的に,日本沿岸に生息している各種のヒトデ類(例えばオニヒトデ,キヒトデ,クモヒトデなど)の有効活用を目指して,抗菌,抗腫瘍,抗ガンなどの生理活性物質を探索する研究,マグロの刺身が加工されるときに廃棄残渣として大量に生み出される皮の有効活用を目的に,抗アレルギー活性を有する生理活性物質を探索する研究,など未利用資源に着目した研究を行っています.これらを新規機能性食品素材として利用することを目指して,有効成分の精製,構造決定,作用機構の解明に取り組んでいます.
3:水産食品の原材料判別技術の開発
昨今重要視されるようになってきた食品の安全・安心の観点から,食品産業上特に重視されるマグロ類などの魚介類およびその毒性の強さから食品衛生上特に重視されるフグ類を中心に,水産食品に用いられている原材料種をDNAを用いて判別する方法を構築する研究を行っています.また,食中毒が発生した際の原因食材の特定やアレルギー原因食材の混入度の確認にも活用できるDNA判別技術の開発にも取り組んでおり,行政機関や民間企業からのDNA鑑定の依頼を受けています.
  • 刺身に使われている魚貝類をDNAで鑑定する。
  • DNAバンドの数で判別できる。
4:水産食品の機能性探索
わが国では特に若年層を中心に魚離れが進んでいることが指摘されていますが,外国では逆に先進国をはじめとしてむしろ魚食ブームとなっています.その原因は,水産食品が動脈硬化や高血圧といった生活習慣病を予防する最も効果的な食べ物であると認識されていることによります.科学的な根拠のもとに水産物が有する機能栄養成分が消費者の志向を引きつけているわけです.この観点から,水産食品が有する様々な機能栄養成分の探索を行っています.特に,日本各地で伝統的に食べられている食材のなかに,どのような機能成分があるのか,そしてその機能成分が人間の健康と寿命にどのように影響を及ぼしているのかについて研究を行っています.
  • 沖縄県の伝統的発行食品「スクガラス」
5:魚貝類アレルギー応答分子マーカーの探索と診断への応用
魚貝類アレルギー疾患の発症は,本来自己防衛に働く免疫システムが異常をきたし,非自己に対する拒絶反応が過敏になって結果として自己を攻撃してしまうために起こります。このとき,免疫システムでいったいどのような現象が起こっているのか,またアレルギー発症のON/OFFのスイッチを何が握っているのかを遺伝子レベルで明らかにしていこうとするのがこの研究です。さらには,アレルギー発症に関わる遺伝子群の挙動からアレルギー診断や予防につながる方法を見つけていきたいと思っています。
  • エビ。アレルギーを発症したマウス
  • DNAマイクロアレイ
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